月単位または週単位の基準時間を設け、これを超えた勤務時間を残業として扱う機能です。月、週の基準時間を同時に設定することもできます。
<例>
- 月に171時間15分以上勤務した場合は、その超過分を残業として扱う
- 週に40時間以上勤務した場合は、その超過分を残業として扱う
※雇用区分設定 > 「週の法定労働時間」と「変形労働設定機能」は併用できません。「週の法定労働時間」を設定している状態で「変形労働」を設定すると、「週の法定労働時間」の設定が自動で外れます。ご注意ください。
設定手順
以下に設定手順を解説します。設定は「オプション」「雇用区分設定」にて行います。
オプション設定
変形労働機能の使用可否を切り替えます。設定 > その他 > オプション > 「勤怠管理設定」カテゴリ >「変形労働設定機能」にて「使用する」を選択して登録してください。
これによって、設定 > 雇用区分設定 > 「月の時間外集計」カテゴリに「変形労働」という項目が追加されます。
また、オプションにて「労働基準時間の表示」にチェックすると以下が表示されます。
- 月単位の変形労働を設定しているとき : 月別データに「基準時間」表示欄が追加されます。
- 週単位の変形労働を設定しているとき : タイムカード画面に「週の集計」オプションが追加されます。
月単位/月別データ画面
週単位/個人別タイムカード画面
雇用区分設定
続いて、月ごと、または週ごとの基準時間を設定します。 設定 > 雇用区分設定 > 「月の時間外集計」カテゴリ > 「変形労働」の[設定]をクリックし、以下を入力し、登録してください。
共通設定
項目名 | 説明 |
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利用単位 | 「週単位」または「月単位」を選択します。(「週単位」と「月単位」の併用は可能です。) 「基準時間のみ利用する」にチェックを入れた場合は、月単位の基準時間を目安として月別データ画面に表示しますが、残業の基準時間としては使用しなくなります。 |
対象項目 | 変形労働の対象となる勤務時間を設定します。選択した項目の1週間または1ヶ月の合算時間と、基準時間を比較し、基準時間を超えた時間を以下の通りに計上します。
※ 月単位の変形労働タイプにて「繰越」が選択されている場合は、「所定」以外の選択はできません。 |
対象勤務日種別 | 「平日」「法定休日」「法定外休日」から、変形労働の対象となる勤務日種別を設定します。選択した勤務日の1週間または1ヶ月の合算時間と基準時間を比較し、基準時間を超えた時間を残業時間に計上します。 ※休日残業機能を使用しない設定にしている場合は、対象勤務日種別が表示されません。サポートセンターにて内部設定が必要となります。 ※2019年2月以降、新規作成画面では「平日」「法定外休日」にデフォルトチェックが入っています。 |
残業時間への計上 | 対象項目の週合計または月合計が基準時間を超えた後、複数の対象項目を設定した場合(所定と所定外など)、残業時間への計上をどのように行うかを選択します。変形労働の残業計算方は、以下の通りに行われます。
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優先順位 | 時系列で計上を行う場合、対象項目の週合計または月合計が基準時間を超える当日に、複数の対象項目が発生した場合(所定と深夜など)、どちらを優先的に残業として扱うかを選択します。「対象項目」を2個以上選択した場合に優先順位の設定が行えます。基準時間を超えた日の残業時間への計上は、以下の通りに行われます。
※2019年2月以前に変形労働設定にて、優先順位を設定している場合のみ表示されます。 ※残業時間への計上方法「直近の所定外」へ変更をすると、優先順位は非表示となります。「直近の所定外」を選択し[保存]をした場合、「時系列で計上」を選択しても優先順は表示されません。 |
優先順位とは?
時系列で計上をすると例えば、あと3時間の勤務で基準時間を超える勤務日に、2時間の所定労働時間と2時間の深夜労働時間があった場合、1時間が残業として扱う対象となりますが、その1時間をどちらの勤務時間から発生させるかを選択します。
例1)「深夜 > 所定外 > 所定」とした場合
基準時間を超過する日に、所定と深夜が発生する場合は、 深夜労働時間を優先的に残業時間とします。 この場合、「深夜残業」として集計されます。
例2)「所定 > 所定外 > 深夜」とした場合
基準時間を超過する日に、所定と深夜が発生する場合は、 所定労働時間を優先的に残業時間とします。
※深夜時間が深夜所定と深夜所定外に分かれているお客様は所定、所定外、深夜所定、深夜所定外より、優先順位を設定します。
週単位
項目名 | 説明 |
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変形労働タイプ | 下記2項目より選択ください。
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基準時間 | 週の基準時間を設定します。ここで設定した時間を超過した場合、残業として計上されます。 「スケジュール時間を超過した勤務については、残業としてカウントする」を選択した場合は、登録されたスケジュールより1週間の労働予定時間を自動算出し、基準時間とします。また、基準時間未満のスケジュールの場合に、スケジュール時間超過で残業とするか、基準時間超過で残業とするかを選択できます。 |
週別基準時間 | 変形労働タイプが「変動」の場合、[週別基準時間設定]ボタンにて各週の労働基準時間を設定します。 |
週の締め日 | 雇用区分設定画面内の「基本情報」カテゴリ > 詳細項目「週の締め日」から設定可能です。 |
集計範囲 | 1週間が月をまたぐ場合の計算方法を設定します。
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日割り計算 | 集計範囲で「月初から月末まで」を選択した場合に、チェックできます。週7日に満たない月末・月初の週の際に、基準時間を週の日数で割り、暦日数に応じた基準時間に調整します。 |
月単位
項目名 | 説明 |
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変形労働タイプ | 下記3項目より選択ください。
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基準時間 | 変形労働タイプが「固定」の場合、月々の基準時間を登録します。 変形労働タイプが「変動」「繰越」「フレックス」の場合、月ごとの基準時間が未入力の月の基準時間となります。 「スケジュール時間を超過した勤務については、残業としてカウントする」を選択すると、登録されたスケジュールより1ヶ月の労働予定時間を自動算出し、基準時間とします。また、基準時間未満のスケジュールの場合に、スケジュール時間超過で残業とするか、基準時間超過で残業とするかを選択できます。 |
月別基準時間 | 変形労働タイプが「変動」「繰越」「フレックス」の場合、[月別基準時間設定]ボタンにて各月の基準時間を設定します。 |
締め月 | 変形労働タイプが「繰越」の場合表示されます。繰り越した労働時間の清算月(リセットする月)を設定します。 |
有効期間 | 変形労働タイプが「繰越」の場合表示されます。余剰分の基準時間を何ヶ月先まで繰り越すかを設定します。 |
集計結果
集計項目の「残業時間」「深夜残業時間」には、以下の合算が計上されます。
- 日の時間外集計 > 「残業開始時間」を超えた勤務時間
- 月単位変形労働によって計上された残業
- 週単位変形労働によって計上された残業
なお、「変形労働タイプ:フレックス」を選択した場合は、タイムカード画面に「フレックスタイム集計」の項目が増えます。
変形労働によって計上された残業だけを確認したい場合は全メニュー > エクスポート/インポート > 「月別データ[CSV]」の出力レイアウトで、「変形労働残業時間」「変形労働深夜残業時間」「労働基準時間(月単位)」項目の選択が可能になっております。
「変形労働タイプ:フレックス」で集計した時間の出力は、「フレックス労働基準時間」「フレックス基準内労働時間」「フレックス基準外労働時間」「フレックス割増対象時間」項目で可能です。