【1ヶ月単位の変形労働時間制】シフト(スケジュール)管理のコツ 基準時間との過不足を自動チェック

1ヶ月単位の変形労働時間制では、月の暦日数によって基準時間(所定労働時間の上限)が毎月変動します。
スケジュール作成時に基準時間と予定労働時間の差異を正しく管理しないと、想定外の割増賃金の発生や就業規則違反につながるリスクがあります。

 

KING OF TIME 勤怠管理の差異管理機能を使えば、スケジュール登録の画面上で基準時間との過不足を自動算出し、超過や不足によって色分け表示されます。これにより、スケジュール作成のタイミングで過不足に気づいて調整できます。

 

本記事では、差異管理が重要な理由、機能の使い方、運用のポイントを解説します。

 

目次

 

1ヶ月単位の変形労働制とは

1ヶ月単位の変形労働時間制とは、1ヶ月以内の期間(変形期間という)を平均して1週間あたりの労働時間が40時間(31日の月であれば、上限時間は177時間6分)を超えなければ、労働時間が1日8時間、週に40時間を超えて働かせることができる制度です。

 

1ヶ月の中で月末月初が繁忙期になる業種や、隔週で土曜日に勤務する必要があり、より多くの労働日が必要な業種などで採用されることが多いです。なお、1ヶ月の上限時間の範囲内であれば、1日や1週間の上限は設けられていません。ただし、前月までにあらかじめ労働日とその労働日における労働時間を特定しておく必要があります。

(引用:労働基準法第32条の2|e-Gov法令検索(外部サイト))

 

詳細はこちらをご参照ください。

 

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1ヶ月単位の変形労働制では「差異管理」が重要

1ヶ月単位の変形労働制における労働時間の上限は、1週間当たりの平均労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えない範囲内とすることが必要です。対象期間中の労働時間の上限は、以下の計算式で求めます。

 

上限時間の計算式

1週間の法定労働時間(原則40時間 ) × 対象期間の暦日数 ÷ 7日

※特例措置対象事業場は44時間で計算します。

 

この上限時間が「基準時間」とされることが多いですが、計算式に「対象期間の暦日数」が含まれるため月によって基準時間が変動します。

 

「基準時間」と「予定時間」の差異管理の重要性

スケジュール登録(シフト作成)するタイミングで、「基準時間」と「予定時間」の差異を把握し、過不足が発生しないように管理することが重要となります。

 

超過に気づかなかった場合

基準時間を超えた部分は法定外労働として扱われ、25%以上の割増賃金の支払い義務が生じます。月の途中で気づけば後半のシフトで調整できますが、月末に判明した時点ではシフト調整ができず割増賃金の支払いに繋がり、人件費が予算を圧迫することになります。

 

不足に気づかなかった場合
予定と実態が乖離した運用が続くと、変形労働時間制として適正に運用されていないと判断されるリスクがあります。その場合、過去にさかのぼって時間外労働分の割増賃金を再計算・支払う事態にも発展しかねません。

 

しかし、Excelでスケジュールを手動管理している場合、「基準時間」と「予定時間」の差異を管理することが難しいです。次のような課題が考えられます。

  • 暦日数によって変動する基準時間を毎月計算し直す必要がある。
  • シフト変更のたびに手動で再集計が必要となり、リアルタイムに過不足が見えないため、気づくのは「集計したあと」になりがち。
  • 従業員数が多いほど差異のある人を目視で探す負担は大きい。フィルタや条件付き書式を組んでも、ファイルの肥大化や関数破損のリスクと隣り合わせ。
  • 複雑な関数やマクロを組み込んだExcelは、作成した担当者が異動・退職した途端にブラックボックス化してしまう。

スケジュール登録するその瞬間に差異が見える状態こそが、変形労働時間制の適正運用に不可欠です。

 

これまでのKING OF TIME 勤怠管理でも、スケジュール登録後に「予実機能」を使用して、スケジュール時間を確認 → 手計算で基準時間との差異を算出する必要がありました。2026年2月にリリースされた差異管理機能を使用すると、「基準時間」と「予定時間」の差異を自動で算出できます。

 

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KING OF TIME 勤怠管理の差異管理機能

機能概要

KING OF TIME 勤怠管理のスケジュール登録 / 管理画面にある「月変形の月別労働設定」という項目に、「基準時間」と「差異」が表示されます。

超過は赤、不足は青といったように、差異の時間数により色分けして表示され、必要なアクションを判断しやすくなっています。

 

前提

以下のどちらかを参照し、1ヶ月単位の変形労働制の設定を行ってください。

 

操作方法

※admin全権管理者および全権管理者、または「スケジュール管理」権限が「△閲覧のみ」以上の一般管理者だけが可能な操作です。

 

差異を確認する

1. KING OF TIME 勤怠管理の管理画面 > よく使うメニュー > スケジュール管理 をクリックします。

 

2. 表示条件で、1ヶ月単位の変形労働制を設定している雇用区分を選択し、[表示]をクリックします。

※1ヶ月単位の変形労働制を設定していない雇用区分を含んで表示した場合、差異を確認できません。

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3. 「月変形の月別労働設定」の「基準時間」と「差異」で、複数従業員の差異を一括で確認できます。

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色分けは、以下の通りです。

  • 赤(超過時)勤務スケジュールを削減するなどして調整が必要
  • 黒(適正時):対応不要
  • 青(不足時)勤務スケジュールを追加登録するなどして調整が必要

 

差異が発生した従業員のスケジュールを調整する

1. スケジュール管理画面の[スケジュール登録]をクリックします。

 

2. スケジュール登録画面でも、「月変形の月別労働設定」項目を確認できます。超過となっている従業員は、勤務スケジュールを休暇スケジュールに変えるなどします。不足となっている従業員は、勤務スケジュールを追加します。

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※[保存]をクリックする前は、変更したスケジュール時間は「月変形の月別労働設定」項目の「差異」に反映されません。

※休暇スケジュールを勤務スケジュールに変更する場合、「休暇区分」項目で「種別:削除」を選択します。

 

3. [保存]をクリック後、「月変形の月別労働設定」項目の「差異」を確認します。適正時間となっていない場合は、必要に応じて追加で調整を行います。

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運用のポイント

ポイント1:差異を月初に確認する

月初にスケジュール登録した後、スケジュール管理画面で差異を確認します。過不足が発生している従業員がいる場合、当該従業員の上長に確認とスケジュール調整を依頼します。これを毎月初の定例業務とすることで、差異ゼロを徹底できます。

 

ポイント2:月途中でスケジュール変更があった場合も過不足を必ず確認する

月の途中でも、急なスケジュール変更を行ったり従業員からの申請でスケジュールを変更する場面が発生します。スケジュールの変更、もしくはスケジュール申請を承認した後も、必ずスケジュール管理画面で差異を確認します。過不足が発生した場合、差異がゼロになるように、当該従業員の上長に確認とスケジュール調整を依頼します。

 

ポイント3:就業規則(雇用契約)で定めた所定労働時間とも比較する

「基準時間」=「就業規則(雇用契約)で定めた所定労働時間」の場合、「就業規則(雇用契約)で定めた所定労働時間」と「予定時間」の差異の確認としても活用できます。スケジュール登録の段階で就業規則(雇用契約)違反を防ぐことが可能です。

 

補足

スケジュール登録は、Oplus(外部サイト)など他社サービスのシフト作成機能と連携することで、より便利に運用できます。KING OF TIME 勤怠管理と連携できるサービスはこちらをご参照ください。

 

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よくある質問

Q. 1ヶ月変形労働制において、Excelでのシフト管理と比べて、KING OF TIME 勤怠管理を利用するメリットは何ですか?

A. KING OF TIME 勤怠管理では、「1ヶ月変形労働制の推奨設定」を利用することで、暦日数に応じて変動する基準時間を自動で設定できます。Excel管理時に行っていたような、暦日数によって変動する基準時間の手計算が不要になります。

差異確認機能では、この自動計算された基準時間をもとに、シフトの作成や変更時に「基準時間」と「予定時間」の差異を自動算出します。さらに、複数の従業員における差異をリアルタイムで確認できるため、就業規則や雇用契約に抵触する可能性のあるシフトを事前に防止できます。

 

Q. 差異確認機能を使い始めるために、追加料金や特別な設定は必要ですか?

A.追加料金は必要ありません。

1ヶ月単位の変形労働制の設定が完了していれば、スケジュール管理画面に「基準時間」と「差異」の項目が標準で自動表示されます。

 

Q. 複数月の変形労働やフレックスタイム制でも同じ機能を使えますか?

A.使用できません。1ヶ月単位の変形労働制のみに対応しています。

複数月の変形労働やフレックスタイム制でも差異を確認したい場合は、月別データ画面の[予実]タブで「予定」の労働時間を確認し、基準時間と比較することで代替できます。

予実機能を「使用する」に設定している場合にご利用いただけます。

 

Q. 差異が発生した従業員のスケジュールは、その場で調整できますか?

A.可能です。スケジュール管理画面で差異を確認した後、[スケジュール登録]をクリックすると、スケジュールを変更できます。

スケジュール登録画面で内容を変更し、[保存]をクリックすると、同じ画面上で変更後のスケジュールに基づいて算出された差異時間を確認できます。さらに調整が必要な場合は、そのまま続けてスケジュールを変更できるため、差異を確認しながら効率的に調整を行えます。

 

Q. 差異はどのように表示されますか?一目で過不足が分かりますか?

A. 以下の通りに色分けして表示されるため、どの従業員で過不足が発生しているのかが分かりやすくなっています。

  • 赤(超過時)勤務スケジュールを削減するなどして調整が必要
  • 黒(適正時):対応不要
  • 青(不足時)勤務スケジュールを追加登録するなどして調整が必要

 

Q. 超過となったまま何も対処しないと、どうなりますか?

A.基準時間を超えた部分は法定外労働となり、25%以上の割増賃金の支払い義務が生じます。さらに、基準時間を就業規則(雇用契約)上の所定労働時間と同じ値に設定している場合は、就業規則違反にもつながる恐れがあります。

また、不足が常態化すると制度の適正運用と見なされないリスクもあり、遡って会社が追加の割増賃金を支払う事態になりかねません。超過と不足どちらも、気づいた時点での調整が重要です。

 

Q. シフト変更が多い職場でも活用できますか?

A. はい、活用できます。シフト変更時にリアルタイムで差異を確認できるため、急な欠勤対応やシフト調整が発生しやすい職場でも、過不足を確認しながらスケジュールを管理できます。

 

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お役立ちコンテンツ

1ヶ月単位の変形労働時間制の設定に関する役立つ情報をまとめました。制度の解説や設定方法など、詳細は以下のコンテンツをご参照ください。

 

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