年末調整では、従業員が証明書を見ながら申告書へ金額を入力したり、管理者が提出された内容をひとつずつ確認・差戻ししたりと、従業員・管理者それぞれに手間がかかることがあります。
KING OF TIME 給与では、この手間を減らすため、控除証明書の取り込み・確認に関する機能を見直しました。電子的控除証明書(XMLファイル)では電子署名を検証できるようにし、内容を確認しやすいプレビュー表示にも対応しています。さらに、紙の控除証明書についても、AI-OCRの読み取り精度を高めました。
本記事では、3つの改善内容に加え、紙・電子それぞれの控除証明書の活用方法や、提出後の書類管理まで紹介します。
目次
- 1. 年末調整の控除証明書で発生しやすい入力・確認の手間
- 2. 控除証明書の取り込み・確認をさらに使いやすく
- 3. 紙と電子的控除証明書は状況に応じて使い分けできる
- 4. 紙で回収した控除証明書は電子保管する方法もある
- よくある質問
- お役立ちコンテンツ
1. 年末調整の控除証明書で発生しやすい入力・確認の手間
電子的控除証明書を利用する場合、証明書の内容を自動反映できる一方、これまでプレビューではXML形式のデータがそのまま表示されるため、従業員や管理者が内容を目で確認しにくい場面がありました。また、証明書が発行後に書き換えられていないかを確認する仕組みもありませんでした。
紙の控除証明書を画像で取り込む場合は、AI-OCRによって手入力の手間を減らせますが、画像の状態によっては読み取り後の確認や修正に手間がかかることがあります。
2. 控除証明書の取り込み・確認をさらに使いやすく
2026年9月のアップデートでは、控除証明書の取り込み・確認をさらに進めやすくするため、電子的控除証明書のプレビュー表示と電子署名検証、AI-OCRの読み取り精度向上に対応しました。
電子的控除証明書を見やすくプレビュー
電子的控除証明書のプレビューでは、証明書の内容がわかる形式に変換して表示します。従業員・管理者ともに、取り込んだ電子的控除証明書の内容を画面上で確認しやすくなりました。
対象となる電子的控除証明書は次のとおりです。
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
- 社会保険料控除証明書(国民年金、国民年金基金)
- 小規模企業共済等掛金控除証明書(iDeCo)
電子的控除証明書を利用する場合でも、紙の証明書を見るような感覚で内容を確認しやすくなります。
電子的控除証明書の電子署名を検証
電子的控除証明書は、年末調整の申告に利用する情報を含むため、発行後に内容が書き換えられていないか(改ざんされていないか)を確認できることが重要です。電子的控除証明書に付与された電子署名を確認すると、この改ざんの有無をチェックできます。KING OF TIME 給与では、電子的控除証明書のアップロード時に、この電子署名を確認(検証)できるようになりました。
電子署名を検証した結果、正しく検証できない電子的控除証明書は、KING OF TIME 給与へ取り込まれません。従業員は、取り込みできないことをアップロード時点で確認できます。管理者にとっても、電子署名を検証することで、正しく検証できないデータがそのまま申告内容として取り込まれることを防げます。
ご注意
取り込めない場合は、アップロードしたファイルが正しいものか確認し、必要に応じて発行元から電子的控除証明書を再取得してください。なお、電子署名の検証は、改ざんそのものを防止する機能ではありません。
控除証明書を画像で取り込むAI-OCRの読み取り精度を向上
紙で受け取った控除証明書などは、画像をアップロードし、AI-OCRで記載内容を読み取って申告書へ反映できます。読み取り精度の向上により、取り込み後の確認や修正にかかる手間の軽減も期待できます。
2026年9月のアップデートにより、従業員は控除証明書の取り込み後の確認や修正を進めやすくなり、管理者も提出された内容を確認しやすくなります。
補足
AI-OCRは、証明書の記載内容を読み取り、申告書へ自動で反映する補助機能です。証明書の内容を一つずつ手入力する作業を減らし、入力の手間を軽減できるため、年末調整の申告をよりスムーズに進められます。ただし、画像の状態などによって読み取り結果が異なる場合があるため、反映された内容は必ずご確認のうえ、必要に応じて修正してください。
3. 紙と電子的控除証明書は状況に応じて使い分けできる
KING OF TIME 給与では、電子的控除証明書を取得できる場合は電子データを利用し、紙で受け取った控除証明書はAI-OCRで取り込むなど、従業員や証明書の状況に応じて取り込み方法を使い分けられます。
補足
すべての従業員・すべての控除証明書を一度に電子化する必要はありません。電子的控除証明書を利用できる従業員・証明書から段階的に利用できます。
電子的控除証明書を取得できる場合は電子データを利用
保険会社等から電子的控除証明書を取得できる場合は、その電子データをKING OF TIME 給与へ取り込んで利用できます。証明書に含まれるデータを直接取り込むため、画像の状態に読み取り結果が左右されることがなく、電子的控除証明書を利用する場合は、紙の証明書を勤務先へ提出する必要もありません。手入力や証明書の提出にかかる手間を、まとめて減らせます。
詳しい利用方法は、以下のオンラインヘルプをご確認ください。
【従業員画面】電子的控除証明書(XMLファイル)を使用した保険料控除申告書の入力方法
紙で受け取った控除証明書はAI-OCRで取り込み
電子的控除証明書を取得できない場合や、紙で控除証明書を受け取った場合は、AI-OCRによる取り込みを利用できます。紙で受け取る証明書が残っている場合でも、すべての情報を一から手入力する必要はありません。電子的控除証明書と紙の証明書が混在する場合にも、それぞれに応じた方法で対応できます。
詳しい取り込み方法は、以下のオンラインヘルプをご確認ください。
関連コンテンツ
年末調整全体の事前準備や、控除証明書の電子化を進める際のポイントについては、年末調整セミナーレポートでも詳しく紹介しています。
好評の年末調整セミナーをレポート!(後編)差戻しを減らすには?今から始める事前準備と電子化
4. 紙で回収した控除証明書は電子保管する方法もある
AI-OCRを利用すると、紙の控除証明書の内容を申告書へ反映する際の手入力を減らせます。一方、AI-OCRで画像を取り込んだ場合でも、従業員から回収した紙原本は、取り込みとは別に保管・管理する必要があります。
年末調整で回収した各種申告書や控除証明書は、原則として7年間の保存が必要とされています。従業員数が多い場合は、長期間の保管スペースの確保や、必要な書類を探す手間も発生します。
KING OF TIME 電子契約を利用すると、回収した控除書類をスキャナ保存して電子的に管理できるため、こうした保管・管理の手間を減らせます。具体的には、スキャナ保存した控除書類に従業員コードや「令和○年分」といった情報を登録できるため、必要な書類を後から探しやすくなります。あわせてタイムスタンプを付与できるため、改ざんの心配なく電子的に保管できます。
紙の控除証明書を利用する場合は、次のような流れで取り込みから保管まで進められます。
| STEP | 内容 |
|---|---|
|
STEP1 画像をAI-OCRで取り込み |
紙の控除証明書を画像で取り込み、申告内容へ反映します。 |
|
STEP2 紙原本を回収 |
必要な紙原本を従業員から回収します。 |
|
STEP3 KING OF TIME 電子契約へスキャナ保存 |
回収した控除書類をスキャンして登録します。 |
|
STEP4 必要な情報を登録して電子保管 |
従業員コードや「令和◯年分」といった情報を登録し、タイムスタンプを付与して保管します。 |
このように、KING OF TIME 給与で控除証明書の入力・申告を効率化するだけでなく、KING OF TIME 電子契約を組み合わせることで、回収後の書類管理までKING OF TIMEシリーズでできます。
具体的なスキャナ保存の手順や紙原本の取り扱いについては、以下のオンラインヘルプをご確認ください。
ご注意
紙原本を破棄できる条件やスキャナ保存の具体的な要件については、「年末調整で回収した各種控除書類の管理方法」をご確認ください。
よくある質問
Q1. 2026年9月のアップデートで、控除証明書の取り込みはどう変わりましたか?
電子的控除証明書(XMLファイル)では、アップロード時に電子署名を検証できるようになり、プレビューでは証明書の内容をより確認しやすくしました。また、紙の控除証明書などを画像で取り込むAI-OCRでは、読み取り精度が向上しました。これにより、電子的控除証明書・紙の控除証明書のどちらを利用する場合も、取り込みや確認をより進めやすくなっています。
Q2. AI-OCRで読み取った内容はどこで確認・修正できますか?
AI-OCRで控除証明書の画像を取り込んだ後は、取り込み内容が反映された申告書の入力画面で確認できます。読み取り結果に誤りや不足がある場合は、必要に応じて追加入力・修正してください。
Q3. 電子的控除証明書(XMLファイル)の取り込みと、AI-OCRによる画像取り込みは何が違いますか?
電子的控除証明書の取り込みでは、証明書として発行された電子データを直接取り込んで申告内容へ反映します。一方、AI-OCRによる画像取り込みでは、紙の控除証明書を撮影・保存した画像から記載内容を読み取って申告内容へ反映します。受け取った控除証明書の形式に応じて、それぞれの方法を使い分けることができます。
Q4. 紙の控除証明書と電子的控除証明書(XMLファイル)が混在しても問題ありませんか?
はい。紙の控除証明書と電子的控除証明書を併用できます。すべての従業員・すべての控除証明書をどちらか一方に統一する必要はなく、電子的控除証明書を取得できる従業員・証明書から段階的に利用できます。
Q5. 電子的控除証明書(XMLファイル)を利用するメリットは何ですか?
電子的控除証明書を利用すると、証明書の内容を申告書へ自動反映できるため、従業員が証明書を見ながら入力する項目や控除額の計算負担を減らせます。転記誤りも防ぎやすく、電子的控除証明書を利用する場合は紙原本の提出が不要です。年末調整で回収する書類には原則として7年間の保存が必要とされているため、紙原本の保管スペースや書類管理の負担軽減にもつながります。
管理者にとっても、申告書と証明書の照合作業や手入力を減らせるため、確認・差戻しや書類の整理・保管にかかる負担の軽減が期待できます。2026年9月のアップデートでは、これらに加えて電子署名の検証と、内容を確認しやすいプレビュー表示にも対応しました。
Q6. 電子的控除証明書(XMLファイル)はどのように取得できますか?
電子的控除証明書は、保険会社等の発行元から電子データとして取得できます。電子的控除証明書の提供有無や具体的な取得方法は発行元によって異なるため、契約先の案内をご確認ください。
取得した電子的控除証明書は、KING OF TIME 給与へアップロードして利用できます。電子的控除証明書を取得できない場合は、紙の控除証明書をAI-OCRで取り込む方法や手入力も利用できます。
Q7. 電子的控除証明書(XMLファイル)の署名検証とは何ですか? 正しく検証できない場合はどうなりますか?
電子的控除証明書に付与された電子署名を確認し、発行後に内容が書き換えられていないか(改ざんされていないか)をチェックする機能です。電子署名を検証した結果、正しく検証できない電子的控除証明書は、KING OF TIME 給与へ取り込まれません。正しく検証できないデータが、そのまま申告内容として反映されることを防げます。
取り込めない場合は、アップロードしたファイルが正しいものか確認し、必要に応じて発行元から電子的控除証明書を再取得してください。なお、署名検証は改ざんそのものを防止する機能ではなく、電子署名を正しく検証できないデータを取り込まないための仕組みです。
Q8. 電子的控除証明書(XMLファイル)の内容はどのように確認できますか?
電子的控除証明書を取り込むと、証明書の内容を確認しやすい形式でプレビューできます。対象は、生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、社会保険料控除証明書(国民年金、国民年金基金)、小規模企業共済等掛金控除証明書(iDeCo)です。
Q9. 紙で回収した控除証明書はどのように保管できますか?
KING OF TIME 電子契約を利用すると、回収した控除書類をスキャナ保存し、電子的に管理できます。具体的な保存方法や紙原本の取り扱いについては、以下のオンラインヘルプをご確認ください。
お役立ちコンテンツ
今回ご紹介した控除証明書の取り込みや書類管理に役立つ情報をまとめました。電子的控除証明書やAI-OCRの利用方法、書類の提出・保管方法など、詳しくは以下のコンテンツをご確認ください。
実務活用ガイド
KING OF TIME 給与
- 【従業員画面】証明書の取り込み方法
- 【従業員画面】電子的控除証明書(XMLファイル)を使用した保険料控除申告書の入力方法
- 【従業員画面】保険料控除申告書の入力方法
- 【従業員画面】年末調整で原本の提出が必要な書類
KING OF TIME 電子契約