失効する「有休」を積立休暇として利用する方法

失効する「有休」を積み立てて、別の休暇として自動付与できます。積み立て先の休暇は設定によって指定できます(「積立休暇」「私傷病休暇」「介護休」「育児休」など)。

 

例) 有休が5日失効すると、積立先の休暇「私傷病休暇」が自動で5日付与される。

 

本記事では、積立休暇を利用するために必要な設定や注意点を解説します。

 

目次

 

利用条件

本機能の利用条件は以下の通りです。

  • 休暇取得方法:休暇区分使用であること
    ※休暇取得方法:パターン使用の場合は「積立設定」という項目が表示されません。

  • 「有休」が「減算タイプ」で、かつ「有効期間」が設定されていること

  • 積立先休暇として、「有休」とは別に「減算タイプ」かつ「有効期間:付与「後」◯日間 / ヶ月 / 年間」を設定した休暇区分があること

    積立先休暇の設定例:
    2023-02-10_11h49_23.png

  • 有休と積立先休暇の「半休」と「時間単位休暇」が同じ設定であること

    ※設定が揃っていない場合、積立付与された休暇が使用できなくなることがあります。例えば、「有休」が「時間単位休暇:使用する」、「積立先休暇」が「時間単位休暇:使用しない」である場合、有休が「4時間」失効すると「4時間」積立付与されますが、積立先休暇は「時間単位休暇:使用しない」であるため、この「4時間」の休暇は取得できなくなってしまいます。

 

画面上部に戻る

 

設定方法

デフォルトの休暇区分「有休」内の「積立設定」項目を設定します。

 

1. 設定 > スケジュール > 休暇区分設定 を開き、「有休」の [編集] をクリックします。

 

2. 設定画面下部の「積立設定」にて、「積立を行う」を選択します。

※「積立を行う」を選択できない、「積立設定」項目自体が表示されていない場合は、上記利用条件をご確認ください。

 

3. 以下の項目を設定し、[登録]をクリックします。

スクリーンショット

番号 項目名 説明
1 積立先休暇区分 失効する有休の積立先となる休暇を選択します。
※「有休」以外の「減算タイプ」かつ「有効有効期間:付与「後」◯日間 / ヶ月 / 年間」を設定した休暇区分が選択できます。
2 積立上限日数 失効する有休の内、積立休暇にできる上限の日数を1~15の間で入力します。
有休は年5日取得義務があるため、付与日数20日(比例付与日数の最大日数)から5日をマイナスした15日を最大日数として設定できます。
3 積立累積上限日数 2で設定した日数を累積できる上限の日数を1~200の間で入力します。
※積立上限日数より小さい値は設定できません。
4 時間単位休暇の失効の取り扱い 時間単位有休が失効する場合の取り扱い方法を選択します。詳細は後述する「時間単位休暇の失効の取り扱い」の詳細をご確認ください。
※「有休」が「時間単位休暇:使用しない」設定の場合は選択できません。

 

画面上部に戻る

 

「時間単位休暇の失効の取り扱い」の詳細

「時間単位休暇の失効の取り扱い」の選択肢による違いを例をあげて解説します。

mceclip3.png

項目名 説明
そのまま積立 「日の契約労働時間」や、半休の使用可否に基づき、時間休を日単位に換算します(時間休の日単位への繰り上げは行いません)。

日換算の例
有休20時間が年度内に失効する場合、設定状況に応じてそれぞれ以下のように換算されます。
  • 「日の契約労働時間:7時間」の場合:20時間=2日(14時間)+6時間 なので、「2日 / 6H」が積立付与されます。
  • 「日の契約労働時間:8時間」かつ有休半休を使用できる場合:20時間=2日(16時間)+0.5日(4時間)なので、「2.5日」が積立付与されます。
  • 「日の契約労働時間:8時間」かつ有休半休を使用できない場合:20時間=2日(16時間)+ 4時間 なので、「2日 / 4H」が積立付与されます。
0.5日単位で繰り上げして積立 1時間を0.5日単位で繰り上げて積み立てます。

繰り上げ例
「日の契約労働時間:8時間」の場合、以下のように繰り上げされます。
  • 1時間が失効 → 「0.5日(1時間を0.5日単位で繰り上げ)」が積立付与されます。
  • 5時間が失効 → 「0.5日(4時間)」 + 「0.5日(1時間を0.5日単位で繰り上げ)」 なので、「1日」が積立付与されます。
1日単位で繰り上げして積立 1時間を1日単位で繰り上げして積み立てます。

繰り上げ例
「日の契約労働時間:8時間」の場合、以下のように繰り上げされます。
  • 1時間が失効 → 「1日(1時間を1日単位で繰り上げ)」が積立付与されます。
  • 9時間が失効 → 「1日(8時間)」+「1日(1時間を1日単位で繰り上げ)」なので、「2日」が積立付与されます。

 

画面上部に戻る

 

積立先休暇が自動付与されるタイミング

毎日午前0時に有休の失効数が計上され、積立先休暇に自動付与されます。このため積立先休暇に自動付与されるのは、有休の有効期限日の1日後となります。


例えば、有休の有効期限が3月31日の場合、4月1日 0:00 に有休の失効数が計上され、4月1日付で積立先休暇に自動付与されます。

 

ご注意
「積立設定」の設定前に失効した「有休」には、積立先休暇は自動付与されません。

 

画面上部に戻る

 

積立日数の計算方法

「積立上限日数」より多い日数は付与されません。また、積立先休暇の残日数が「積立累積上限日数」を超える場合は、超えた分の日数は付与されません。

 

なお、同じ年度内に積立先休暇が2回以上付与される場合、「積立上限日数」から、本年度中にすでに付与された積立先休暇の日数を除外した日数が、「本年度の上限数」となります。

 

積立先休暇が自動付与される際の上限日数は、以下の計算式で計算されます。

 

計算式
以下の計算式で、「本年度の上限日数」と「累積の上限日数」をそれぞれ計算します。2つの日数のうち、小さい方の日数が、積み立て時の上限日数として適用されます

・本年度の上限日数 = 積立上限日数 - 本年度の積立先休暇付与日数
・累積の上限日数 = 積立累積上限日数 - 積立先休暇残日数

※年度の起算日は事業年度開始月日となります。

 

計算例

以下のように設定されている場合の、積み立て上限の計算方法を解説します。

  • 事業年度開始月日:4月1日
  • 積立上限日数:15日
  • 積立累積上限日数:60日

 

本年度内(2022年10月1日)に、「積立先休暇」に「10日」が付与されていました。

021003.png

 

 ↓↓↓

 

同年10月31日に、「有休」が「20日分」失効しました。

021004.png

 

 ↓↓↓

 

「積立上限日数」は15日ですが、同年度内2回目の付与になるため上限日数が変わります。また「積立累積上限日数」は60日ですが、残日数が残っているためこちらの上限日数も変わります。

 

計算式に従って計算します。

  • 本年度の上限日数 = 積立上限日数(15日) - 本年の積立先休暇付与日数(10日)= 5日
  • 累積の上限日数 = 積立累積上限日数(60日) - 積立先休暇残日数(20日)= 40日

 

本年度の上限日数(5日) < 累積の上限日数(40日)
※小さい方の日数が、積み立て時の上限日数として適用されます。

 

このため、積み立て時の上限日数は5日となり、この日数が自動付与されます。

021002.png

 

画面上部に戻る

 

付与履歴の確認方法

積立休暇の付与履歴は以下の画面から確認できます。

 

管理画面ホーム > 全メニュー > 休暇管理 を開き、[積立付与一覧]タブを選択

※表示期間として、過去3年から未来1年までの年度を指定できます。

mceclip2.png

 

番号 項目名 説明
1 積立元休暇 「有休」失効データを確認します。
2 積立先休暇 「積立先休暇区分」として設定した休暇の付与データを確認します。
3 失効日 有休の失効年月日です。
4 失効数 失効日数 / 失効時間数です。
5 付与日 「積立先休暇」の付与年月日です。
※毎日0:00に有休の失効数を参照し、自動で積立付与します。
6 付与数 積立先休暇に付与された付与日数 / 付与時間です。
※「時間単位休暇の失効の取り扱い」で「0.5日単位で繰り上げして積立」または「1日単位で繰り上げして積立」が設定されている場合、実際の付与数は異なります。

 

画面上部に戻る

この記事は役に立ちましたか?
6人中1人がこの記事が役に立ったと言っています