「従業員の履歴管理」の機能仕様と制限事項について解説します。
ご注意
「従業員の履歴管理」機能をご希望の場合は本記事の内容をよくご確認のうえ、サポートセンターに「従業員の履歴管理」機能の追加をご依頼ください。
目次
機能仕様
「従業員の履歴管理」機能の追加により、従業員が異動した際に次の挙動になります。
2. 対象日(対象月)時点の所属情報・雇用区分情報でデータ出力されます
3. 申請の際、対象日時点の所属の申請承認フローが適用されます
4. 「日の契約労働時間」が異なる雇用区分に異動した際、休暇残時間が調整されます
1. 対象日(対象月)時点の雇用区分設定で集計されます
過去データを勤怠データ再計算やデータ出力した場合、対象日(対象月)時点の雇用区分の設定内容で集計されます。
例 2017年12月1日に「正社員」から「変形労働制」に異動している
「従業員の履歴管理」を利用しない場合
「2017/06/01 ~ 2017/11/30」を勤怠データ再計算すると、現在の雇用区分「変形労働制」の設定内容で再計算されます。
「従業員の履歴管理」を利用する場合
「2017/06/01 ~ 2017/11/30」を勤怠データ再計算すると、当時の雇用区分「正社員」の設定内容で再計算されます。
ご注意
休暇区分の「表示対象設定」は「従業員の履歴管理」機能に対応していません。過去のタイムカードを表示した際は、現在の所属と雇用区分にしたがって休暇データが表示されます(詳細はこちら)。
2. 対象日(対象月)時点の所属情報・雇用区分情報でデータ出力されます
対象日(対象月)時点の所属名・雇用区分名でタイムカード[PDF]や月別データ[CSV]が出力されます。
例 2017年12月1日に「正社員」から「変形労働制」に異動している
「従業員の履歴管理」を利用しない場合
現在の雇用区分名「変形労働制」で出力されます。
「従業員の履歴管理」を利用する場合
当時の雇用区分「正社員」で出力されます。
ご注意
「従業員の履歴管理」機能を利用していても、管理画面上は現在の所属名・雇用区分名で表示されます。
3. 申請の際、対象日時点の所属の申請承認フローが適用されます
異動前にさかのぼって申請した際、対象日時点の所属の申請承認フローに従って申請が上がります。
※「スケジュール・打刻・残業・時間外勤務の申請先:所属の承認者に申請を上げる」に設定されている必要があります(詳細はこちら)。
例 2017年12月1日に「大阪支社」から「東京本社」に異動している
「従業員の履歴管理」を利用しない場合
2017年6月1日にさかのぼって打刻申請すると、現在の所属「東京本社」の承認者に申請が上がります。
「従業員の履歴管理」を利用する場合
2017年6月1日にさかのぼって打刻申請すると、当時の所属「大阪支社」の承認者に申請が上がります。
4. 「日の契約労働時間」が異なる雇用区分に異動した際、休暇残時間が調整されます
「日の契約労働時間」が異なる雇用区分に異動した際、休暇残時間が次の計算式で調整されます。
計算式
異動後の休暇残時間 = 異動前の休暇残時間 × (異動後の「日の契約労働時間」 ÷ 異動前の「日の契約労働時間」)
※従業員設定で「日の契約労働時間」を設定している場合や、同じ雇用区分において「日の契約労働時間」の値を変更した場合は、調整されません。
例 対象従業員が次の条件の場合
異動前
- 日の契約労働時間: 8時間
- 休暇付与日数: 10日
- 休暇取得数: 6日+5時間
- 休暇残数: 3日+3時間
異動後
- 日の契約労働時間: 4時間
「従業員の履歴管理」を利用しない場合
異動前の「休暇取得数:6日+5時間」の端数「5時間」が異動後の「日の契約労働時間:4時間」で再計算されて「1日+1時間」になります。その結果、異動後は「休暇取得数:7日(6日+1日)+1時間」の扱いとなるため、「休暇残数:2日+3時間」になります。
「従業員の履歴管理」を利用する場合
異動前の「休暇残数:3日+3時間」の端数「3時間」が上記計算式で調整されます。
異動前の休暇残時間 × (異動後の「日の契約労働時間」 ÷ 異動前の「日の契約労働時間」)
= 3時間 × ( 4時間 ÷ 8時間 )
= 1.5時間 ⇒ 2時間(端数切り上げ)
休暇残数の端数のみ調整されるため、異動後は「休暇残数:3日+2時間」になります。
補足
「従業員の履歴管理」機能を利用していても、休暇残時間を調整なしに設定可能です。休暇残時間の調整なしをご希望の場合は、サポートセンターに「時間休暇の異動調整計算:計算しない」設定をご依頼ください。
機能追加に伴う制限事項
「従業員の履歴管理」機能の追加により、次の制限事項が発生します。
3. 変形労働制において月途中で雇用区分を変更した場合、集計値が想定と異なることがあります
4. 異動前の所属や雇用区分にのみ締め権限を有する管理者が、異動後の勤怠を締められなくなります
5. 「所属・雇用区分の変更履歴編集制限」を「制限なし」にする必要があります
7. 週の締め日が異なる雇用区分へ異動した場合、「週の集計」が正しく集計されません
1. 締め日が異なる雇用区分へ異動できなくなります
例えば、ある従業員を「15日締め」の雇用区分Aから「月末締め」の雇用区分Bへ変更しようとすると、「締め日が異なる雇用区分には変更できません」というエラーメッセージが表示され、変更できません。
2. 雇用区分の締め日を変更できなくなります
設定 > 従業員 > 雇用区分設定 > 対象雇用区分の[編集] > 基本情報カテゴリ > 締め日 にて締め日を変更しようとすると、「変更後の締め日と、従業員の過去の締め日が異なるため、登録できません」というエラーメッセージが表示され、変更できません。
3. 変形労働制において月途中で雇用区分を変更した場合、集計値が想定と異なることがあります
変形労働設定を設定していて、対象従業員の雇用区分を締め日と異なる日付で変更すると、変更した月の集計は次のように計算されます。
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変形労働設定ありの雇用区分から、変形労働設定ありの雇用区分へ変更:
「基準時間」が異なる雇用区分に変更した場合、変更後の雇用区分の「基準時間」に基づき1ヶ月分の勤怠データを集計します。
※変更前の雇用区分の「基準時間」は参照されません。
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変形労働設定なしの雇用区分から、変形労働設定ありの雇用区分へ変更:
異動日以降の期間のみ、変形労働設定に基づき集計します。
※異動日前の期間は変形労働設定なしで集計されます。
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変形労働設定ありの雇用区分から、変形労働設定なしの雇用区分へ変更:
変形労働設定に基づいた集計は行われません。
4. 異動前の所属や雇用区分にのみ締め権限を有する管理者が、異動後の勤怠を締められなくなります
異動前の所属や雇用区分にのみ締め権限を有する管理者は、異動前の勤怠のみ締め可能です。異動後の勤怠は締め不可のため、月途中で異動した場合は月単位で勤怠締めできません。
異動後の所属や雇用区分にのみ締め権限を有する管理者は、異動前の勤怠も締め可能です。このため、月途中で異動した場合も月単位で勤怠締めできます。
5. 「所属・雇用区分の変更履歴編集制限」を「制限なし」にする必要があります
通常は当月度の開始日より前の日付で異動操作できないよう、機能制限しています(詳細はこちら)。「従業員の履歴管理」機能の追加に際して、この機能制限を「制限なし」にする必要があります。
「制限なし」にすることで、過去日にさかのぼり異動操作が可能になります。ただし操作履歴は保持しておらず調査不可のため、操作される際は十分にご注意ください。
6. パターンが自動的に外れる場合があります
パターンに「使用する所属」「使用する雇用区分」を設定したことがある場合の制限事項です(詳細はこちら)。対象従業員の所属や雇用区分を、過去にさかのぼって「使用する所属」「使用する雇用区分」に含まれていなかった所属や雇用区分に変更すると、割り当てられているパターンが自動的に外れます。
7. 週の締め日が異なる雇用区分へ異動した場合、「週の集計」が正しく集計されません
例えば、ある従業員を「水曜日締め」の雇用区分Aから「土曜日締め」の雇用区分Bへ変更した場合、タイムカードで異動前の日付を確認すると、「週の集計」が異動後の「土曜日締め」で計算され、正しく集計されません。