これまでKING OF TIME 勤怠管理では、フレックスタイム制でコアタイム外に時間単位休暇を取得する場合、通常とは異なる運用が必要になることがありました。今回の新機能により、コアタイム外でも時間単位休暇を申請・登録できるようになります。
本記事では、フレックスタイム制と時間単位休暇を組み合わせた運用、従来のKING OF TIMEで発生していた運用上の課題、新機能による変更点、時間休データの活用方法、後続業務へのつなげ方について解説します。
目次
- フレックスタイム制と時間単位休暇を組み合わせた運用
- 従来発生していた運用上の課題
- 新機能でコアタイム外でも時間単位休暇の取得・記録が可能に
- 時間休の取得データを、その後の業務に活用する
- よくある質問
- お役立ちコンテンツ
フレックスタイム制と時間単位休暇を組み合わせた運用
柔軟な働き方へのニーズが高まるなか、フレックスタイム制の活用も広がっています。厚生労働省によると、フレックスタイム制の適用を受ける労働者の割合は2018年の約8%から上昇傾向で推移し、2024年には約12%となっています。
参考:令和7年版 労働経済の分析 -労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて-
フレックスタイム制では、1日のうち必ず勤務する時間帯である「コアタイム」と、従業員が始業・終業時刻を選択できる「フレキシブルタイム」を設定する場合があります。たとえば、コアタイムを10時から15時までとし、その前後をフレキシブルタイムとするような運用です。
企業によっては、こうした柔軟な勤務時間と時間単位休暇を組み合わせて運用しています。たとえば、朝の通院のためフレキシブルタイム中に1時間の時間休を取得してから出勤する、コアタイム終了後に育児や介護などのため時間休を取得するといったケースです。
このように、フレックスタイム制と時間単位休暇を組み合わせることで、従業員の事情に応じた柔軟な働き方が可能になります。一方、こうした運用をタイムカードに反映する際には、従来の仕様上、対応が必要になるケースがありました。
従来発生していた運用上の課題
KING OF TIME 勤怠管理では、有休や代休、会社独自に設定した休暇などを時間単位で取得できます。
従来のKING OF TIME 勤怠管理では、出勤 / 退勤予定外の時間帯に時間単位休暇を設定するとエラーとなっていました。そのため、フレックスタイム制で出勤 / 退勤予定をコアタイムとして設定している場合、コアタイム外に時間休を取得するには、専用の勤務パターンを作成して対象日に割り当てるなどの対応が必要になることがありました。
こうした運用では、従業員には、コアタイム外の時間休を取得する日だけ通常とは異なる運用が発生し申請時の負担がかかっていました。また管理者には、専用パターンの作成や対象日への割り当て、従業員への案内などの対応が発生する場合がありました。
新機能でコアタイム外でも時間単位休暇の取得・記録が可能に
KING OF TIME 勤怠管理では、こうした運用上の課題やお客様のご要望に対応するため、コアタイム外(フレキシブルタイム)にも時間単位休暇を登録できる新機能をリリースいたしました。
【1】新機能の概要
今回のリリースにより、企業で定めている運用に合わせて、フレキシブルタイム中の時間単位休暇をタイムカードへ登録できるようになります。
主な変更点は次の通りです。
- コアタイム外の時間帯にも時間単位休暇を登録できる
- 専用パターンを用意せずに時間単位休暇を勤怠記録へ反映できる
- フレックス勤務者の実際の運用に合わせて休暇を記録しやすくなる
従来運用との違い
| 項目 | 従来 | リリース後 |
|---|---|---|
| コアタイム内の時間単位休暇の取得 | 取得可能 | 取得可能 |
| コアタイム外(フレキシブルタイム)の時間単位休暇の取得 | 専用パターン作成など、運用カバーが必要 | 専用パターンを作成せず取得可能 |
| 勤怠記録 | 運用方法によっては個別対応が必要 | 一律の取得方法のため、タイムカードで確認可能 |
【2】新機能によって改善が期待できること
実際の休暇取得状況を記録しやすくなる
企業で認めている時間単位休暇を、実際に取得した時間帯に合わせて勤怠へ記録しやすくなります。
個別運用を減らしやすくなる
現在、コアタイム外の時間休を記録するために勤務パターンの変更などをしている場合、新機能によって個別対応を減らせることが期待されます。
従業員へ案内しやすくなる
会社の休暇運用とシステム上の記録方法が近づくことで、コアタイム外の時間休だけ異なる操作を案内するといった例外的な運用を減らしやすくなります。
【3】時間単位休暇の取得方法
時間単位休暇の取得方法は従来の取得方法と変更はありません。そのため、追加の設定変更は不要です。
これからKING OF TIME 勤怠管理で時間休を利用する場合は、主に次の設定をします。
1. 「日の契約労働時間」の設定を確認します。時間休は、1日を「日の契約労働時間」に換算したうえで取得されます。このため、次のいずれかの箇所から「日の契約労働時間」の設定が必須です。
※どちらにも設定した場合、「従業員設定」の設定内容が優先されます。
- 設定 > 従業員 > 雇用区分設定 > 対象区分の[編集] > 基本情報カテゴリの[詳細] > 日の契約労働時間
- 設定 > 従業員 > 従業員設定 > 対象従業員の[編集] > 雇用情報カテゴリの[詳細] > 日の契約労働時間
2. 設定 > スケジュール > 休暇区分設定 を開きます。
3. 対象の休暇区分の[編集]をクリックします。
4. 「時間単位休暇」項目で「使用する」を選びます。「休暇取得による休暇数の計算方法」が「減算」の場合、「使用する(最大1~5日分)」が選べます。こちらを選ぶと、付与された休暇のうち、1年間で何日分を時間単位の休暇として取得できるかを制限できます。
5. [登録]をクリックします。詳細な設定方法はこちらをご参照ください。
時間休の取得データを、その後の業務に活用する
時間単位休暇は、取得できるようにするだけでなく、実際の取得状況を正しく記録することが重要です。
コアタイム外の時間休も含めて勤務実態を正確に記録できれば、休暇の取得状況を確認するだけでなく、そのデータを人事・労務管理や給与計算など、その後の業務にも活用しやすくなります。
例えば、休暇がどの程度利用されているかを確認したり、従業員情報とあわせて制度運用を見直したり、確定した勤怠データを給与計算へつなげたりすることができます。
時間休を含む勤怠データを起点に、その後の業務へどのようにつなげられるかを整理すると、次のようになります。
| その後の業務 | 活用する主な情報・データ | 利用できる機能・サービス |
|---|---|---|
| 休暇の利用状況を確認する | 取得日数、取得率、残日数など | KING OF TIME 勤怠管理、KING OF TIME データ分析 |
| 人事情報とあわせて制度運用を考える | 休暇取得状況、従業員情報 | KING OF TIME 人事労務 |
| 確定した勤怠データを給与計算へつなげる | 労働時間、休暇取得状況などの勤怠データ | KING OF TIME 給与 |
| 現在利用している給与・人事システムへつなげる | 出力した勤怠データなど | CSV・APIなどによる外部サービス連携 |
【1】休暇の利用状況を確認する
時間休を記録することで、「時間単位休暇の制度があるか」だけでなく、実際にどの程度利用されているかを確認するためのデータとして活用できます。
KING OF TIME 勤怠管理の「休暇管理」では、休暇の取得率、取得日数、残日数などを確認できます。また、所属や雇用区分を指定して対象者を絞り込むこともできます。休暇管理機能の詳細はこちらをご参照ください。
KING OF TIME データ分析では、有給休暇について、全社の取得推移や所属別の取得率などを確認できます。全社統計、所属、雇用区分、性別などの切り口から取得状況を見ることで、自社の休暇制度や働き方を見直す際の参考にできます。詳細はこちらをご参照ください。
例えば、有給休暇全体の取得状況や、特定の時期に休暇取得が集中していないかなどを確認することで、従業員が休暇を取得しやすい環境になっているかを考える材料になります。
育児、介護、通院などは時間単位休暇を利用する場面の一例ですが、取得時刻や取得時間だけから個人の取得理由を推測・断定することは避け、自社の制度が従業員の働き方に合っているかを確認するための情報として活用しましょう。
ご注意
有給休暇を時間単位で取得した場合、計算方法の違いにから、KING OF TIME 勤怠管理とKING OF TIME データ分析で取得日数の値が異なる場合があります。正確な取得日数を確認する場合は、KING OF TIME 勤怠管理の値をご確認ください。
【2】人事情報とあわせて制度運用を考える
休暇の取得状況だけでは、従業員の状況をすべて把握できるわけではありません。
KING OF TIME 人事労務で管理している従業員情報もあわせて確認することで、制度の周知方法や従業員への案内などを検討する際の参考にできます。
例えば、働き方やライフイベントの変化に応じて人事・労務上の対応が必要な場合には、勤怠の状況と必要な人事情報をそれぞれ確認することで、従業員に合った制度案内や手続きを検討しやすくなります。
ただし、時間休を取得したという事実だけから、その理由や従業員の事情を判断することはせず、必要に応じて本人への確認などもしながら活用しましょう。
【3】確定した勤怠データを給与計算へつなげる
時間休を含む勤務実績を正しく記録することは、その後の給与計算を正確にする上でも重要です。KING OF TIME 給与を利用している場合は、KING OF TIME 勤怠管理で確定した勤怠データを給与計算へ連携できます。
コアタイム外の時間休を含めた勤務実態を勤怠管理で正しく記録し、そのデータを給与計算へつなげることで、勤怠確認から給与計算までのデータの受け渡しをスムーズにできます。
勤務・休暇を記録する → 月次の勤怠を確定する → 給与計算に利用する
という一連の業務でデータをつなげられるため、同じ情報を別のシステムへ入力し直す作業の削減にもつながります。
【4】現在利用している給与・人事システムへつなげる
KING OF TIME 勤怠管理で記録した勤怠データは、現在利用している給与計算システムや人事システムなど、その後の業務で利用することもできます。
利用するサービスに応じて、KING OF TIMEから勤怠データをCSV形式で出力したり、対応するサービスとAPI連携したりすることで、確定した勤怠データを後続業務へ受け渡せます。
すでに利用しているシステムがある場合でも、時間休を含む勤怠情報をKING OF TIME 勤怠管理で正確に記録することで、その後の業務で利用するデータを整えやすくなります。
補足
連携できる項目や連携方法は、利用するサービスによって異なります。詳細は各サービスの連携仕様をご確認ください。
よくある質問
Q. フレックスタイム制で時間単位有休を取得すると、「年5日の有給休暇取得義務」の管理は変わりますか?
A. 時間単位で取得した有給休暇は、年5日の有給休暇取得義務の取得日数には算入できません。そのため、時間単位有休とは別に、年5日の取得状況を管理する必要があります。
Q. 時間単位有休を導入するには何が必要ですか?
A. 時間単位有休を導入するには、労使協定の締結が必要です。労使協定では、対象労働者の範囲、年5日以内の日数、1日分の時間数、取得単位を定めます。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則への記載も必要です。
Q. 時間単位有休は30分単位で取得できますか?
A. できません。法定の時間単位有休は、30分など1時間未満の単位で取得することはできません。2時間単位、4時間単位などとする場合も、整数時間で定めます。
Q. KING OF TIMEでは有休以外の休暇も時間単位で取得できますか?
A. はい。有休や代休、会社独自に設定した休暇などを時間単位で取得できます。
Q. コアタイムがないスーパーフレックスタイム制でも時間休を取得できますか?
A. はい。コアタイムがない場合も、追加の設定なしで任意の時間帯で時間休を取得することができます。
Q. 時間休を取得した時間はタイムカードで確認できますか?
A. はい。設定することで、時間休の取得日や取得時間をタイムカード画面やタイムカードPDFで確認できます。
Q. 有休の取得状況を所属や雇用区分ごとに確認できますか?
A. はい。KING OF TIME データ分析では、有給休暇について、所属別・部署別・雇用区分別などで付与日数、取得日数、取得率などを比較できます。
Q. 時間休の取得理由もKING OF TIMEのデータから分かりますか?
A. 取得時間だけから、育児・介護・通院などの取得理由を判断することはできません。時間休データは制度の利用状況を確認する材料として活用し、取得理由を推測・断定しないようにしてください。取得理由を管理する場合は、申請メッセージをご活用ください。
Q. 時間休を含む勤怠データを給与計算にも利用できますか?
A. KING OF TIME 給与では、KING OF TIME 勤怠管理・KING OF TIME 人事労務のデータを自動連携して給与計算に利用できます。利用には必要な人事情報や給与規定などの設定が必要です。KING OF TIME 給与をご利用ではない場合、給与システムへCSVでの取り込みやAPIで連携し、給与計算ができます。
お役立ちコンテンツ
今回ご紹介したフレックスタイム制と時間単位休暇の運用に役立つ情報をまとめました。詳細な設定方法・操作方法は、関連するオンラインヘルプをご参照ください。
KING OF TIME 勤怠管理
- フレックスタイム制における労働時間管理 / 導入手順 / 残業集計
- フレックスタイム制のスケジュール(コアタイム / フレキシブルタイム)の設定方法を教えて。
- 「休暇管理」の確認 / 操作方法(休暇取得率、取得日数、残日数の確認)
- 【時間休】設定方法
- 【従業員画面】時間休取得の申請方法(PC / モバイル)
KING OF TIME データ分析
KING OF TIME 給与