所属別に申請承認フローを設定している場合に、従業員の所属を変更するときは注意が必要です。
所属異動前の期間の申請は旧所属のフローで、所属異動後の期間の申請は新所属のフローで承認させるためには、本来、締め日当日中に勤怠の申請や承認、勤怠の締め、データ出力などを完了させ、異動日当日には異動前の期間の締め作業が済んだ状態とすることが最も推奨する運用です。
しかし、現実的には、締め日当日中に締め作業を完了するのが難しいケースも多いかと存じます。締め日後に締め作業を行う際に、所属異動前の期間の申請は旧所属のフローで、所属異動後の期間の申請は新所属のフローで承認させるための推奨運用をご提案します。
事前確認
以下の項目の設定状況を確認してください。それぞれ推奨運用が異なります。
設定 > その他 > オプション > 申請承認設定カテゴリ > スケジュール・打刻・残業・時間外勤務の申請先
「所属の承認者に申請を上げる」の場合
この設定では、申請を行った時点で従業員が属する所属の申請承認フローに申請が上がります。
例えば下図の場合、3月31日以前に申請すると管理者Aが承認者となり、4月1日以降に申請すると管理者Bが承認者となります(4月1日以降に、3月31日以前の対象日に対して申請した場合も、管理者Bが承認者になります)。
このため、所属の異動日以降に締め作業を実施する場合は、異動前の期間の申請が正しい承認者に上がらない場合があります。これを回避するため、以下の運用方法をご提案します。
ご注意
「従業員の履歴管理機能」を使用している場合は一部仕様が異なり、対象日時点の所属の申請承認フローが適用されます(詳細はこちら)。しかしながら、「従業員の履歴管理機能」を使用している場合は、異動前の所属に対してのみ「締め」権限をもつ管理者が、従業員の所属変更後に異動前の期間の勤怠を締めることができません。このため、やはり以下に解説する運用を推奨します。
1. 異動後の期間に対する申請を一時ストップするよう周知
異動後の期間に対する申請はいったんストップするよう、社内に周知します。異動前の期間に対する申請に漏れがあった従業員は、速やかに申請作業を行います。
2. 前月の締め作業を完了
承認を済ませ、前月の締め作業を完了します。
3. 所属変更
従業員の所属を変更します(変更方法はこちら)。
異動日は、当月度の開始日以降、かつ勤怠締め済み期間の最終日より後の日付を指定できます。例えば月末締めの従業員に対して、4月1日付けの異動を4月3日に行う場合、異動日に4月1日と指定できます。
変更処理が遅れることの懸念点
4. 申請の再開
異動後の期間に関する申請を再開するよう周知します。
もし誤って中止期間中に申請を上げてしまった場合、申請をキャンセルした後、再申請することで、新しい所属の承認者に上がります。
「勤務先の承認者に申請を上げる」の場合
申請種別ごとの挙動は以下の通りです。
- 打刻申請は、それぞれの「打刻所属」を参照して申請が上がります。
- スケジュール申請や休暇申請、時間外勤務申請は、その日の「出勤所属」を参照して申請が上がります。
- 補助項目申請は、申請を行った時点で従業員が属する所属に申請が上がります。
1. 申請に関する注意事項を社内周知
以下の内容を社内に周知します。
- 異動前の期間に対する「補助項目申請」については、どうしても締め日当日中に申請と承認を完了させる必要があります。
- 補助項目以外の申請についてはストップする必要はありませんが、打刻申請時は「打刻所属」を、スケジュール申請、休暇申請、時間外勤務申請は「出勤所属」を、申請先の所属とするように注意を促します。
2. 所属変更
従業員の所属を、実際の異動日付で変更します(変更方法はこちら)。
異動日を未来日に登録することで、事前に異動を予約できます。例えば4月1日付けの異動を3月20日に行う場合、異動日に4月1日と指定できます。
3. 前月の締め作業を完了
前月の締め作業を完了します。
所属変更後に締め作業を行うことの懸念点
データ出力時の従業員の所属には、出力時点の所属名が表示されます。どうしてもデータに当時の所属を記録したい場合は、データ出力のタイミングで一時的に所属を元に戻すなどの対処が必要です。