就業規則により設定方法は異なりますが、ここでは仮に以下のルールで1ヶ月単位のフレックス制の集計を行うときの設定方法をご案内いたします。
1. 清算期間:毎月1日から末日
2. 清算期間における所定労働時間:日の契約労働時間 ✕ 月の所定日数
3. コアタイム:10:00~15:00
4. 残業時間:日ごとに残業を計上するのではなく、月の法定労働時間の総枠を超えたものを残業とする
5. 割増残業:60時間を超過した残業を割増残業とする
6. 有休取得:有休取得日は勤務したものとして扱う
厚生労働省 ホームページ
フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き(※外部リンク)
https://www.mhlw.go.jp/content/001140964.pdf
目次
【手順1】オプション
変形労働設定機能と割増残業集計機能をオンにします。
1. 設定 > その他 > オプション を開きます。
2. 勤怠管理設定カテゴリ内を、以下のように設定して登録します。
| 番号 | 項目名 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 変形労働設定設定 | 「使用する」を選択します。その下の「労働基準時間の表示」にもチェックが入っていることを確認します。 |
| 2 | 割増残業集計機能 | 「1段階の割増残業時間を使用する」を選択します。「代替休暇対象」は代替休暇を運用する場合のみ設定してください(詳細はこちら)。 ※社内のフレックスタイム制以外の社員に対して2段階の割増集計が必要な場合、「2段階の割増残業時間を使用する」を選択しても問題ありません。 |
【手順2】雇用区分設定
設定 > 従業員 > 雇用区分設定 を開き、対象区分の[編集]をクリックします。以下のように設定して登録します。
1. 締め日の設定
基本情報カテゴリ > 締め日 を選択します。
2. 労働時間の設定
1. 働き方カテゴリ > 労働時間 にて「変形労働時間制」を選択します。
2. 「手動設定(フレックスその他)」を選択し、[変形労働設定]をクリックします。
3. 共通カテゴリ内を以下のように設定します。
| 番号 | 項目名 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 利用単位 | 「月単位」にチェックします。 |
| 2 | 対象項目 |
フレックスタイム制の対象とする項目を選択します。以下にチェックします。
※設定によって「深夜所定」と「深夜所定外」が「深夜」と表示されている場合があります。 |
| 3 | 対象勤務日種別 |
フレックスタイム制の対象とする勤務日種別を選択します。以下にチェックします。
※「休日残業計算機能」が「使用しない」になっている環境ではこの項目が表示されません。こちらの記事で仕様をご確認のうえ、サポートセンターへ休日残業機能の追加をご依頼ください。 |
| 4 | 休暇みなし勤務時間の所定外・残業計算への算入 |
後述の設定「休暇みなし勤務時間の残業計算への算入」を「含める(所定外・残業時間へ計上する)」とすることで、本項目が表示されます。 「休暇みなし勤務時間を所定外・残業計算に含める(所定外・残業時間へ計上する)」かつ「所定外へ計上するが、残業へは計上しない」と設定することを推奨いたします。詳細は後述の「参考」をご参照ください。 ※「所定外へ計上するが、残業へは計上しない」については、月単位カテゴリで「所定時間を超過した勤務は所定外としてカウントする」が選択されている、または、基準時間の「基準時間までは所定外としてカウントする」が選択されているときに利用可能な項目です(詳細はこちら)。 |
| 5 | 残業時間への計上方法 |
フレックスタイム制の変形労働残業計算方法を選択します(詳細はこちら)。
|
| 6 | 法定外休日を優先に残業に計上 | チェックを入れると、法定外休日から優先的に残業に計上するようになります。 ※対象勤務日種別で「法定休日」にチェックが入っておらず、残業時間への計上方法が「直近の所定外から計上」の時に利用可能な項目です。 |
| 7 | 振替出勤を考慮して計算 | チェックを入れると、振替出勤によって発生した残業時間を、通常の残業と分けて集計できるようになります。週をまたいで振替休日を取得した場合などの、割増賃金の計算に役立ちます。集計項目の詳細については、こちらの記事をご参照ください。 |
4. 月単位カテゴリ内「変形労働タイプ」にて「フレックス」を選択します。[月別基準時間設定]をクリックします。
※「所定時間を超過した勤務は所定外としてカウントする」にチェックを入れると、所定時間超過、基準時間未満の労働時間は「所定外」として計上されます。
5. 月ごとの変形労働の所定労働時間と基準時間、清算月数、当月清算する基準時間を入力し、[登録]をクリックします。
※画像クリックで拡大します。
| 番号 | 項目名 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 所定労働時間 | 「日の契約労働時間✕月の所定日数」を入力します。この時間を超過した労働は「所定外」として計上されます。 ※この項目は前画面で「所定時間を超過した勤務は所定外としてカウントする」にチェックを入れている場合のみ表示されます。 ※変形労働の基準時間を超える時間は設定できません。 |
| 2 | 変形労働の基準時間 |
「その月の歴日数÷7✕40時間」を入力します。この時間を超過した労働は「残業」として計上されます。 変形労働の基準時間が歴日数で固定となる場合、画面上部[前年度の基準時間をコピー]をクリックすると、前年度の月別基準時間設定をそのままコピーできます。 |
| 3 | 清算月数 | 残業清算する期間を選択します。「1ヶ月」を選択します。 ※本項目が未設定の場合は正しく集計できないことがあるため、必ず設定してください。 |
| 4 | 労働時間の過不足の取扱い |
基準時間に対する不足分の労働をどのように処理するか設定します。
|
| 5 | 法定労働時間の総枠 |
※「労働時間の過不足の取扱い」を「不足分を翌月で清算」と設定した場合のみ、必要な設定です。 「その月の歴日数÷7✕40時間」を設定します 。 この時間を超過した不足分は翌月清算されず、当月清算となります。 |
労働時間の過不足の取扱い「不足分を翌月で清算」の注意点
翌月の「法定労働時間の総枠」を超えて、翌月の「所定労働時間」に不足分を加算することはできません。4月に不足時間が発生し、5月の基準時間に4月の不足分を加算する場合を例に説明します。
例えば、以下のように設定した場合に、
雇用区分設定 > 働き方カテゴリ > [変形労働設定] > 月単位 > [月別基準時間設定]
- 4月…所定労働時間「160時間」 / 労働時間の過不足の取り扱い「不足分翌月で計算」
- 5月…所定労働時間「160時間」 / 法定労働時間の総枠「177時間6分」
※画像クリックで拡大します。
4月における実労働時間が「140時間」だったとき、4月に20時間の不足時間がありますが、5月の法定労働時間の総枠は177時間6分、所定労働時間(清算期間における総労働時間)は160時間ですので、5月に繰り越せる最大時間数は「17時間6分(177時間6分 - 160時間)」となります。
※繰り越せない不足時間「2時間54分」は、4月の清算で控除が必要です。
3. 深夜労働の設定
後述するパターン設定で登録する出勤予定~退勤予定以外での深夜勤務は「深夜所定外時間」に計上されます。これを「深夜所定」に計上したい場合は、深夜労働カテゴリの[詳細]を展開し、「深夜所定外労働時間割当種別」にて「深夜所定時間にする」を選択します。
4. 日の時間外集計の設定
1. 日の時間外集計カテゴリ > 残業開始時間 にて以下のチェックを外し、未設定の状態にします。
※日ごとの残業時間は集計されなくなります。
2. 後述するパターン設定で登録する出勤予定~退勤予定以外での勤務時間は「所定外時間」に計上されます。これを「所定時間」に計上したい場合は、日の時間外集計カテゴリの[詳細]を展開し、「所定外労働時間割当種別」にて「所定時間にする」を選択します。
5. 割増残業の設定
月の時間外集計カテゴリ > 割増残業 > 割増し残業開始時間 を設定します。
補足
【手順1】オプション の設定時に、「割増残業集計機能」にて「2段階の割増残業時間を使用する」を選択した場合、雇用区分設定内「割増残業」に「割増残業2」という入力欄が表示されます。この場合は「割増残業2」を設定せず、「割増残業」だけを設定してください。
6. 出勤予定前 / 退勤予定後の労働時間の取り扱い
スケジュールカテゴリ > 出勤予定前の労働時間の取り扱い [早出] / 退勤予定後の労働時間の取り扱い [残業] にて、両方とも「勤怠時間として扱う」を選択します。
7. 休暇関連の設定
1. 休暇関連カテゴリの[詳細]を展開します。「半日休暇・時間休暇取得時の所定時間への加算」にて「有休」にチェックします。
2. 同じく休暇関連カテゴリの[詳細]内、「休暇みなし勤務時間の所定外・残業計算への算入」にて「含める(所定外・残業時間へ計上する)」を選択します。
※こちらの設定は推奨設定です。運用に合わせてご選択ください(詳細はこちら)。
【手順3】休暇区分設定
※休暇取得方法「休暇区分使用」の場合のみ必要な設定です。
1. 設定 > スケジュール > 休暇区分設定 を開き、有休の[編集]をクリックします。
2. 以下のように設定して登録します。
| 番号 | 項目名 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 休暇区分のみのスケジュール申請 | 「休暇区分のみ入力で申請可能」を選択します。 |
| 2 | 休暇みなし勤務時間の計算 | 「計算を行う」を選択します。 |
【手順4】パターン設定
設定 > スケジュール > パターン設定 を開き、[新規登録]または該当パターンの [編集]をクリックします。パターン登録画面で以下のように設定して登録します。
1. コアタイム / 休憩予定の設定
1. 以下のように入力します。
| 番号 | 項目名 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | パターンコード | 任意のコードを入力します(「1001」など)。 |
| 2 | パターン名 | 任意の名称を入力します(「フレックス」など)。 |
| 3 | スケジュール種別 | 「通常勤務」を選択します。 ※この項目はパターンの新規登録時しか選択できません。 |
| 4 | 出勤予定(コアタイム開始時刻) | コアタイムの開始時刻を入力します(当日10時00分など)。この時刻が遅刻の算出基準となります。 |
| 5 | 退勤予定(コアタイム終了時刻) | コアタイムの終了時刻を入力します(当日15時00分など)。この時刻が早退の算出基準となります。 |
| 6 | 休憩設定 | 休憩取得時刻が決まっている場合は入力します。 ※打刻休憩や雇用区分休憩によって、休憩を取得することも可能です。休憩取得方法の詳細はこちらの記事をご参照ください。 |
2. 半日勤務カテゴリ > 午前出勤パターン登録 > [設定]をクリックします。PM半休取得時の「出勤予定(コアタイム開始時刻)」と「退勤予定(コアタイム終了時刻)」を入力し、[登録]をクリックします。
3. 半日勤務カテゴリ > 午後出勤パターン登録 > [設定]をクリックします。AM半休取得時の「出勤予定(コアタイム開始時刻)」と「退勤予定(コアタイム終了時刻)」を入力し、[登録]をクリックします。
2. 休暇みなし勤務時間の設定
以下のいずれかの方法で設定します。
※休暇取得方法の見分け方はこちらの記事をご参照ください。
「休暇区分使用」の場合
※通常勤務パターン内の項目を設定します。
1. 予定カテゴリの[詳細]を展開し、 「休暇みなし勤務時間」にて「休暇みなし勤務時間を計上する」を選択します。「休暇みなし勤務開始時間」、「休暇みなし勤務終了時間」を入力します。
ポイント
これによって、出退勤予定時刻とは別の時間帯を休暇みなし勤務時間として計上できるようになります。フレックス勤務などで、出退勤予定時刻(コアタイム)が休暇みなし勤務時間と一致しない場合はこのように設定します。
2. 半日勤務カテゴリ > 午前出勤パターン登録 > [設定]をクリックします。AM半休取得時の休暇みなし勤務時間を上記1と同様に設定します。
3. 半日勤務カテゴリ > 午後出勤パターン登録 > [設定]をクリックします。PM半休取得時の休暇みなし勤務時間も同様に設定します。
「パターン使用」の場合
※全日休暇の休暇みなし勤務時間は「有休」パターンで、半休取得時の休暇みなし勤務時間は通常勤務パターンで設定します。
1. 設定 > スケジュール > パターン設定 > 有休の[編集]をクリックします。休暇情報カテゴリの[詳細]を展開し、「休暇みなし勤務時間」を入力します。「8時間0分」などの数字で入力するか、または「雇用区分又は、従業員毎に設定されている「日の契約労働時間」を休暇みなし勤務時間として計算する」にチェックを入れて登録します。
2. 設定 > スケジュール > パターン設定 > フレックス勤務用パターンの[編集]をクリックします。半日勤務カテゴリ内の、「午前出勤パターン登録」と「午後出勤パターン登録」の[設定]をクリックします。
午前出勤パターン登録画面では「午後半休みなし勤務時間」を、午後出勤パターン登録画面では「午前半休みなし勤務時間」をそれぞれ登録します。
ポイント
有休取得日は、所定時間に休暇みなし勤務時間が計上されるようになります。
【手順5】パターンの割り当て
曜日によってスケジュールが決まっている場合は、こちらの記事を参考に「自動スケジュール設定」を設定してください。
シフト制など、スケジュールや定休日が決まっていない場合は、こちらの記事を参考に手動で割り当ててください。
補足:タイムカード「フレックス集計項目」の確認方法
タイムカード「フレックス集計項目」の確認方法については、こちらの記事をご参照ください。
参考:フレックスタイム制のもとで年次有給休暇を取得した場合の残業計算について
フレックスタイム制のもとで年次有給休暇を取得した場合には、協定で定めた「標準となる1日の労働時間」の時間数を労働したものとして取り扱う必要があります。ただし、有休取得時間と実労働時間の合計が法定労働時間を超過した場合でも、有休取得時間については時間外割増(25%増)を支払う必要はありません。
例えば、「変形労働の基準時間」が「177時間6分」の場合に、実労働時間170時間、有休取得時間10時間となったときの例を解説します。
実労働時間と有休取得時間の合計は180時間となり、変形労働の基準時間(177時間6分)を2時間54分超過していますが、実労働時間のみでは超えていないため、法定内残業として処理して問題ないということになります(割増手当25%の支払いは不要)。
関連する設定項目
年次有給休暇を取得し所定労働時間を超過した場合でも所定外へ計上され、正しく賃金清算するには、次のように設定します。
- 雇用区分設定 > 休暇関連カテゴリの[詳細] > 休暇みなし勤務時間の所定外・残業計算への参入
→休暇みなし勤務時間を所定外・残業計算に [ 含める(所定外・残業時間へ計上する) ] -
雇用区分設定 > 働き方カテゴリ > [変形労働設定]> 共通カテゴリ > 休暇みなし勤務時間の所定外・残業計算への参入
→[ 所定外へ計上するが、残業へは計算しない ]
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